専門家に聞く花粉症Q&A

厳選した花粉症に関する質問について
専門家の方に答えて頂きました。
気になるQ&Aをチェックしてみてください。

花粉症にならない人はいますか?

専門家の回答

花粉症は、花粉やダニ、ハウスダストなどの異物が原因となって引き起こされるアレルギー性鼻炎の一つです。これは、遺伝も関係しており、例えば両親ともに重い花粉症で悩んでいる場合、その子どもも花粉症に悩まされる確率が高くなるといわれています。
しかし、花粉症の発症は、住む地域など生活環境の影響を大きく受けますので、遺伝的要素が低い方でも気をつける必要があります。近年では大気汚染や添加物などの影響で、過敏性が増している人が増えているので、花粉症は誰でも起こる可能性があると思っておいたほうがよいでしょう。

舌下免疫療法とはどういうものですか?

専門家の回答

舌下免疫療法とは、花粉の抽出液を口の中に含み、体を少しずつ花粉に慣らしていく治療法です。この治療法は、減感作療法とも呼ばれ、従来注射を使って行われていました。

ところが、毎日の注射は患者にとっての負担が大きく、途中で治療を断念する人が多かったのです。それが、舌の下に薬剤を数滴垂らすという画期的な方法に進化したことによって、自宅でも行える根治療法となりました。また保険適用になったことで、治療にかかる費用も1カ月あたり3,000〜4,000円の負担でできるようになりました。

舌下免疫療法の効果を検証した報告では、ほぼ改善が約30%、やや改善が約40%と多くの方の症状が改善することがわかっています。しかし、完治は数%、中には効果がないという人もいます。舌下免疫療法は、耳鼻科やアレルギー科で行っていることが多いので、治療を始める際は、専門医に相談の上行いましょう。

少しでも症状を軽くするため、医学的に有効だと思われることはなんですか?

専門家の回答

花粉症に効くといわれている食べ物は、ヨーグルトや甜茶(てんちゃ)などが有名です。しかし、残念ながら、医学的に「効果がある」と証明されたものはまだありません。

しかし、花粉症などのアレルギー性鼻炎は、コンビニのお弁当やファストフードなど添加物の多い食事や飲酒、不規則な生活によって悪化しやすくなることがわかっています。そのためにもバランスのよい食事をする、規則正しい生活を送ることなどを日頃から心がけることが大切です。

自分に合う薬の選び方を教えてください。

専門家の回答

最近は花粉症の薬もドラッグストアで気軽に購入できるようになりましたが、同じ薬でも処方薬と市販薬とでは、配合成分の量や価格に違いがあります。一般的に市販薬のほうが処方薬に比べて配合量が少なく、また価格も若干高めに設定されています。

自分にあった薬を希望するならば、やはり専門医に相談するのがよいでしょう。市販薬を使用する場合も、眠くなりにくいものや目薬、点鼻薬などさまざまなものが販売されていますので、薬剤師に相談して、自分に合ったものを見つけましょう。

子どもがこれから花粉症にならないように、気をつけられることはありますか?

専門家の回答

子どもの花粉症も、大人と同様に年々増えています。10歳を超えると約3割の人が花粉症にかかっているともいわれています。花粉が飛散する時期は風邪やインフルエンザの流行時期と重なるため、判断が難しいかもしれませんが、子どもの花粉症は目のかゆみを伴うのが特徴です。
子どもの花粉症予防のポイントは2つ。

1.外出や外遊びの時間を工夫する
晴れて風の強い午後に花粉は多く飛散しますので、この時間帯の外出や外遊びはなるべく控えましょう。

2.室内に花粉を入れない
花粉は空気より重いため、地面に近い場所に飛び散ります。これは子どもの鼻や口と同じ高さ。大人よりも子どものほうが花粉を取り込みやすいので、自宅での対策はしっかり行いましょう。
治療法は大人のものと変わりありませんが、幼児期の場合は日常的な予防が大きな役割を担いますので、どんなときにどんな症状が出るかなどをしっかり把握してあげることが重要です。

花粉症がひどいのですが、薬の服用は妊娠中の胎児に影響はありますか?

専門家の回答

妊娠中は、ホルモンのバランスが変わるので、花粉症の症状が悪化してしまうことがあります。また、それまでに症状がなかった人でも妊娠をきっかけに花粉症を発症することもあります。

厚生労働省の研究班による「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、「妊娠4ヵ月半までは原則として薬物は避けたほうが安全」とされていますが、我慢しすぎも母体の安定のためには逆効果になることも。花粉症がひどい場合、妊娠中期以降は薬を使う選択肢も考慮に入れたほうがよいでしょう。心配な場合は、かかりつけの産科や耳鼻科で相談をしてください。

春にも秋にも花粉症になるのですが、違いはあるのでしょうか?

専門家の回答

日本では、1年を通してさまざまな植物の花粉が飛散していますが、花粉症の症状は基本的に同じです。アレルギー症状が出やすいのは、スギのほかにヒノキやブタクサ、ヨモギなどがあります。

スギ花粉に反応する人のうち、約7割の人がヒノキにも反応するといわれています。ヒノキの花粉が飛散し始める3〜4月ごろに花粉症の症状がひどくなる人がいるのはこのためです。

服用する薬は同じものでもOKですが、症状が重くなったときは専門医に相談し、症状に合わせた対策を行いましょう。

スギ花粉症緩和米について教えてください。

専門家の回答

みなさんは「スギ花粉症緩和米」をご存じですか? これは、食べて治す治療法として現在開発が進められているお米のことで、農林水産省所管の農業生物資源研究所と日本製紙が、共同で研究開発を行っています。舌下免疫療法と同じく、ごはんを食べることで体にスギ花粉の免疫をつけていくものです。

半年から1年ほどの摂取で花粉症の症状が抑えられることが、マウスを用いた薬効試験で確認されています。順調に開発が進めば、実用化は2020年ごろといわれています。「花粉症はごはんを食べて治す」というような時代がすぐそこまで来ています。

春は鼻水とくしゃみ、秋は咳やタンが絡むなど症状が違います。こちらはよくあることなのでしょうか?

専門家の回答

基本的に、花粉症に症状の違いはありません。春はスギ・ヒノキ、秋はブタクサ・ヨモギの花粉が多く飛びますが、いずれも同じ症状です。

もしかすると、秋の咳やタンの症状は、風邪を併発している可能性があるか、風邪の症状を花粉症と勘違いしている可能性もあります。病院で、アレルゲンとなる植物を調べてみるといいでしょう。

花粉の付いた服は、家庭用洗濯機で洗えばきちんと落とせるのですか?

専門家の回答

家庭用洗濯機で花粉を洗い落とすことは可能です。花粉が飛ぶ時期は、衣類などをこまめに洗濯するとよいでしょう。しかし、外に干すと花粉が付着してしまいますので、室内に干すか、花粉をつきにくくするスプレーなどを用いるようにするとよいでしょう。花粉はたたくだけでもある程度落とすことができますので、室内に入るときは花粉をたたき落として、室内に花粉を取り込まないようにしてください。

年齢により症状が緩和することはありますか?

専門家の回答

年齢が進むにつれ、花粉症の症状は緩和されることが多いです。というのも、アレルギー反応は若い人のほうが強く出ると言われており、逆に年を取るにつれ次第にアレルギー反応は弱くなると考えられています。ただし、あくまで“比較的”ということなので、全員に当てはまるというわけではありません。

スギ花粉以外にも花粉には種類がたくさんあります。なぜ反応する対象が人によって違うのでしょうか?

専門家の回答

すべての植物の花粉が花粉症の原因になるわけではないのですが、花粉の分子の量によって、反応が出やすいものとそうでないものとに分かれます。反応する花粉が人によって違うのは、単純にその花粉を浴びる量によって変わります。

花粉症は「コップの水が満タンになってこぼれたとき」と表現されることが多いですが、コップの大きさは人それぞれではあるものの、スギ花粉が多く飛散する地域に住んでいれば、スギ花粉による症状は出やすくなりますし、ブタクサの花粉が多く飛ぶ地域に住んでいると、ブタクサ花粉による症状が出やすくなります。

監修: 大河原 大次(おおかわら だいじ)先生

耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック 院長